どうも、おっさんです。
アリの群体を観察すると
よく働くアリ 二割
普通に働くアリ 六割
あまり働かないアリ 二割
に分かれているそうで、これは人間社会にも当てはまり「働きアリの法則」と言われています。
詳しくは各自で調べてみてほしいのですが、これを否定する人もいます。
その辺りも含めてこちらの記事
がわかりやすいかもしれないので参考までに。
この「2:6:2」に分かれるという法則なんですが、これって…
前回の記事でも書いている「正規分布」なんですよね。
平均値が一番多くなりプラスとマイナス方向に少なくなっていく。
「2:6:2」としているけれど、実際はカッチリ平均的に分かれているわけではなくて、普通と判断される六割程度を一つの山として、そこから上方向に抜き出ている個体と下方向に抜き出ている個体がいるというわけです。
この法則で重要なのが、あまり働かないアリを排除しても残った群体の中からまた二割の働かないアリが出現すると言う部分です。
これは、正規分布を見てもわかる通りにエネルギーが平均値に集積しているだけなので、残った群体の全体のエネルギーがまた平均値に集積していくだけだからです。
同じように、よく働くアリだけを抽出しても「2:6:2」になってしまいますし、普通に働くアリだけでも同様になります。
細かな理由は考えれば色々とあるんですが、私は正規分布の記事でも書いているように、その集団の全体のエネルギーがこのような形になってあらわれているだけだと考えています。個別のエネルギーではなくて全体のエネルギーが拡散しているだけという考えですね。
実は、日本人はこの考え方をよく知っています。
「縁起」ですね。
全ての現象は原因と結果から成っていて、それ自体が独立して存在するのではなく、あらゆる因果が関係し合ってあらわれるというのが「縁起」です。
縁起が良いというのは、良い因果の中にいるという意味で使われます。
(現代社会ではそういう意味ではない場合が多いですが)
働きアリの法則に戻りますが、よく働く二割のアリは全体の八割の食料を集めてくるということで、これも人間社会に当てはまると言われています。
会社で言うと、上位二割の社員が会社全体の八割の利益を稼ぐということですね。
ただし、これはある評価軸に沿って出されていることで、別の評価軸で見ると違う結果になります。
例えば、正規分布の記事で出したサイクリングアクティビティでの最大平均パワーの統計で考えると、パワー値が高い人ほどその評価軸では能力が高いということになりますが、別の評価軸では違う結果になるということです。
つまり、これは観察者が何を評価するかによって良し悪しが変わってしまうということです。
アリの評価でよく働くとしているのは、「食料をどれだけ集めてくるか」等の見てわかる範囲のことなのでしょうが、人間から見てそういう評価なだけであって、アリの世界ではその評価軸ではない可能性があるわけですね。
というより、そもそも評価したりされたりという概念がないわけですが。
ちなみに、働く為のエネルギーで考えると、よく働くアリはあまり働かないアリと比較して多くのエネルギーを消費していることになるので、食料の消費量は多くなるはずです。逆に、あまり働かないアリの食料の消費量は少なくなるはず。
働かないからといって食料を取り上げられることはアリの世界ではないでしょうし、エネルギー的に考えても自然と報酬の量は調節されているわけですね。そもそも、アリは食料を報酬という概念で捉えていないでしょうが。