どうも、おっさんです。
今回は「ロードバイク初心者が知っておいた方がいいこと」と題して書いてみたいと思います。とは言っても、初心者に関わらずロードバイクを趣味としている人なら知っておいた方がいいことです。ただ、私がこれまでこのブログで書いてきたことの繰り返しになってしまう部分なので、これまで見てきて知っている(あるいは他で見た)という方もいると思いますが(笑)、悪しからず。
暖かくなってきて、これからロードバイクに乗り始める・乗り始めたという方向けに改めてということで。
で、もう最初に言ってしまうと…
ロードバイクで一番重要なのは
「心肺能力」
ということです。
乱暴に言うと、これ以外のことは全く気にする必要がないです。(乱暴過ぎ笑)
「心肺能力」がある程度あれば、全てのネガが解決します。
「心肺能力」というのは、文字通り心臓と肺の機能の能力ということですが、
「有酸素運動」
を行う場合は心肺の働きによって全身にエネルギーを送り身体を動かします。なので、「心肺能力」が高いほどその運動を行うにあたって「優位」になってきます。
ロードバイクは皆さんが知っているように「有酸素運動」です。上記の通り、その有酸素運動を行うのに重要になるのが「心肺能力」になります。でも、何故か趣味でロードバイクに乗っている人達は、ロードバイクは有酸素運動ということを知っているのにそこに目を向けません。目を向けないというか「背けている」と言った方がいいかもしれないですね。
本当は知っているのに、どうしてそれをちゃんと見ないのか?
・機材について
機材というのはロードバイク本体やその他パーツのことです。ロードバイクに乗り始めた人は「機材」に関してどうしても気になってきます。購入する時点からも気になるでしょう。
どうしてでしょうか?
機材によって「性能」が違う。
性能が違うということは「速さ」が違う。
と考えるからです。
でも、残念ながら「速さ」は思っているほど違いません。私のブログでもクロモリとカーボンがどれくらい違うのか書いていますが、「速さ」はほとんど変わりません。変わるのは「フィーリング」(重さや硬さ等含む)とか「精度」(精度が違うからフィーリングも変わるとも言える)や「メンテナンス性」(耐久性等含む)の部分が変わるだけです。
「速さ」が全く変わらないというわけではなくて、レース等で使う場合に数秒の差(そのレースの長さにもよりますが)が付く場合もあるということです。
あと、重量が軽い機材にすると「楽」になるとも考えるでしょう。
これも、全く「楽」にならないとは言いませんが、ほとんど気休めみたいなものにしかなりません。ヒルクライムが一番分かりやすいですが、いくら軽い機材にしたところで苦しいものは苦しいです。
・身体の動かし方や筋肉について
機材と同じく、ロードバイクに乗り始めるとどうしても気になってくる部分です。
身体の動かし方は「ペダリング」や「フォーム」や「ポジション」もそうですね。それと関連して「筋肉」も気になってきます。
これらの部分はロードバイクを走らせる場合「必要」です。
必要ですが、これらの部分はある能力がないとちゃんと使えません。
もちろんそれは「心肺能力」です。
何度も言いますが、ロードバイクは「有酸素運動」なので、いくらペダリングやフォームやポジションを整えても、それらを継続して行えないと有効活用できません。継続的に活動するには「心肺能力」が必要です。
「筋肉」も同じことです。いくら筋肉が付いていてもそれを継続して使うことができる「心肺能力」がないと、ロードバイクを走らせるうえでは意味がありません。
筋肉さえあれば速く走れるなら、筋トレしていて筋肉量がある人がロードバイクに乗れば速いはずですよね?そういう人がロードバイクで走った場合短距離は速いかもしれませんが、距離が長くなると途端に走れなくなります。しかも、ヒルクライムなんかは最悪です。重い筋肉を背負っているのでただ「しんどい」だけです。スプリンターはヒルクライムが苦手です。
・ネットでは肝心な部分に触れていない
そもそも、どうして初心者は「機材」や「身体の動かし方」や「筋肉」に注目するのでしょう?それは
”自分が遅いのはそれらがちゃんとできていないからだ”
と考えるのと同時に、ネット等でそういう解決法しか書かれていないからです。
軽い機材なら「速く」「楽に」なると書かれているからです。
ペダリングやフォームを整えて筋トレをすればいいと書かれているからです。
この人たちはどうして本当のことを書かないのだろう?と不思議に思います。
他のブログ等で見るロードバイク乗りの人たちで、それらの間違った解決法で速くなったりロングライドを楽にこなせるようになったりした人を見たことがありません。逆に、そういう解決法に執着している人は、乗るのを辞めたりほとんど乗らなくなったりする人が多いです。
「機材」に関する間違いは、2台目とかでグレードを上げると大体気付きますし、「身体の動かし方」とか「筋肉」もそれを単に習得したところで速くならないので、やるだけやったら気付きます。
気付いた人は上で書いた通り、大体は乗るのを辞めるか頻度が少なくなっていきます。
「自分には向いていないんだ」
と思うからですね。
でも、向いているとか向いていないとかは関係ないんですよね。
「心肺能力」を上げるか上げないかだけの話なんです。
ネット等でも一応「心肺能力」は必要と書かれています。ただし、それは「長距離を走る為の”スタミナ”」という部分で書かれています。なので、LSD(ロングスローディスタンス)という部分(練習方法)で書かれることが多い。これが勘違いの元凶ですね。
もちろん、LSD等で多少「心肺能力」が上がると長距離も楽に走れるようになります。しかし、LSD練習をしただけでは速く走れるようになったり、ヒルクライムが楽になったりしません。ゆっくり長距離が以前より楽になるというだけです。
ゆっくり走るだけではほとんど「パワー」が上がらないからです。
平坦を速く走るのも、ヒルクライムを楽に(速く)上るのも「パワー」がないとできません。
またここで勘違いが生まれます。
そう、じゃぁ「筋肉」を付ければいいと。
上で書いたように、もう「筋肉」だけ付けてもダメなことはわかりますよね?
もちろん「筋肉」は必要ですよ?
・心肺能力を上げれば全て解決するということ
「心肺能力」を上げると何が変わるのかというと、心肺の働きが良くなって強度の高い運動をしても安定度が高くなります。安定度が高くなるので、安定度が低い場合と比べて強度の高い運動を継続することができるようになるということです。これによって、平坦を速く走れるようになったり、ヒルクライムを速くあるいは楽に上れるようになったりします。
30km/h巡航ができなかったり、ヒルクライムでいっぱいいっぱいになってしまうのは、ほとんどこれが原因です。
それに加えて、強度の高い運動の継続性が上がるということは、それより低い強度の継続性も連動して上がります。つまり、強度を抑えて走れば長距離が今までより楽に走れるようになるということです。
同じように、ロングライドで脚が売り切れたり、疲労が何日も残ってしまう人はこれが原因です。
「心肺能力」が上がるということは「パワー」が上がるということなんですが、ここがロードバイクにおいて一番分かり辛いところだと思います。上で書いたように「パワー」と言われると「筋肉」だと思ってしまう人が多いからです。
もちろん「筋肉」は必要なんですが、レースなど想定していない一般人が、ロングライド等でロードバイクを走らせる場合の「筋肉」ならば、それなりに継続的に走っていればちゃんと付きます。で、その「筋肉」を使いこなすのに「心肺能力」が必要だということです。
例えば、継続時間が短いとしても出力200ワット出せないという人はいないと思います(例外はあると思いますが)。短時間でも200ワット出せるのであれば、その付いている「筋肉」にはその能力が十分に備わっているということだと考えてください。(厳密には違うんですが)
「心肺能力」が低い場合、高い強度の安定度が低く継続性が悪いのでその200ワットを継続して出すことができません。これが、「心肺能力」が絶対に必要な理由です。
「心肺能力」を上げて出力を上げる過程で「筋肉」自体も連動して持久力が上がります。そして、上でも書いている通りに、「心肺能力」が上がると低い強度の継続性もさらに上がるので、より低い出力であれば楽に出すことができるようになり、その場合の「筋肉」の負担は相対的に軽くなるので、より疲労しにくくなるわけですね。結果、ロングライドで疲れにくくなります。
「心肺能力」を上げると良いことしかありません。
どうして一般素人がここに辿り着けないのかというと、ネット等でそういう解決法がほとんど示されないのはもちろん、「心肺能力」を上げる過程を「しんどい」と思っているからです。
実際に、「心肺能力」を上げるのは「しんどい」です。
だから、一般的にロードバイクを趣味とする人はここを避けてしまうんですね。
・自分の立ち位置を確認しましょう
「しんどい」ことはしたくない。
人間にかかわらず、生物はみんな同じように思います。
であれば、それに応じた「自分の立ち位置」を今一度確認する必要があります。
これまで書いてきたように、速く走ったり勾配のあるヒルクライムを上ったりする場合は、ある程度の「パワー」が必要になります。物理法則なので地球上ではここから逃れられません。
「しんどい」ことはしたくない。
それは「心肺能力」が上がらないということです。
したがって、「パワー」も上がりません。
だとすれば、速くは走れないし勾配のあるヒルクライムも楽には上れないということになります。ロングライドでも平坦のみをゆっくり走らなければ疲労が襲ってきます。
自分の実力を知り、それに応じた楽しみ方をしないと結局は「しんどくなる」ということです。
つまり、「心肺能力」を上げないと楽しみ方にも制限が出てくるということになります。
どれがいいかは自分で決めるしかありません。
でも、ロードバイクで自分が思った通りに走れるのは「楽しい」ですよ。
その「楽しさ」を知ったら続けることは容易だと私は考えます。