ここのところ、また夏が戻ってきてクソ暑かったですが、やっと秋っぽい風が吹き始めましたね。
どうも、おっさんです。
今回は、こちらの動画からクリス・フルーム選手の心肺能力を見てみます。
2013年のツール・ド・フランス第15ステージの終盤の模様です。
先行しているナイロ・キンタナ選手を追い上げる、フルーム選手を含む集団という構図。
右端の数字は上から、スピード/ケイデンス/パワー/心拍と並んでいますが、主に見ていくのは心拍とパワーになります。フルーム選手の基本心拍データはネットで見てみたところ、最大心拍数が180拍、安静時心拍数が30拍だそうです。FTPは400w以上とのことですが、正確な数字はよくわかりません。
動画の20分ぐらいまでは、特に目立った動きもなく淡々と先頭を追いかける展開です。
心拍数は150拍以下で心拍ゾーンで言うところのゾーン3をキープ。
パワーは300~400wぐらいで走っています。
動き出すのは20分50秒辺り。
フルーム選手の前を引いていた二人のスカイの選手(フルーム選手のチームメイト)のうち、先頭の選手(ピーター・ケノー)がお役御免により下がっていって、集団の先頭をリッチー・ポート選手が引き始めます。
ここからペースアップして、常時400w前後のパワーで心拍数は150拍を越え始めます。
心拍ゾーンで言うところの、ゾーン4ですね。
集団は縦長になっていき、付いてこれない選手が出始めています。
そして、ポート選手、フルーム選手、コンタドール選手の3人だけになります。
この時点で、心拍数は150拍後半でおそらく閾値の少し下辺り。
画面は他のところを映していますが、28分10秒辺りからフルーム選手がアタック。
600w以上で加速。コンタドール選手は付いて行こうとしますが無理でした。
このアタックで無酸素領域に突っ込んだので、心拍数は一時162拍まで上がります。
が、コンタドール選手が付いてこれないのを確認すると、少しペースを下げます。
そのペースで前のキンタナ選手に追いついて行きます。
キンタナ選手に追いついた時点で、心拍数は157拍。閾値の少し下。
また画面はリプレイ映像で映ってないですが、30分10秒辺りでまたアタック。
今度はダンシング1000wで一気に加速、キンタナ選手は反応が遅れます。
ただ、このアタックではキンタナ選手を引き離すことができませんでした。
また無酸素領域に突っ込んだので160拍以上が少し長引きます。
が、キンタナ選手が追い付いてきたところで少しペースダウン。
心拍数も段々と下がっていって150拍前後まで落とします。
その後はしばらくキンタナ選手とランデブー。
そして、43分50秒辺りから最後のペースアップ。
キンタナ選手は付いて行こうとしましたが、ここで終了。
フルーム選手は閾値付近の心拍、400w前後のパワーでゴールを目指しました。
という感じですね。
これを見て私が思ったのが
「私みたいな素人と比較しても、基本的部分は違わないなぁ」
ということ。
何言ってんのお前?って言われそうですが(笑)。
トッププロなので当たり前ですが、出てるパワーは全然違います(笑)。
心肺能力はめちゃくちゃ高いです(当たり前笑)。
でも、心肺に関する生理現象は素人と何も違わないということです。
無酸素領域に突っ込んだら「しんどい」し、アタック仕掛けて相手を置いて行くには、その前に心拍を低く抑えておかないとダメだし、そのアタックも何発も撃てるわけではないということ。当然、無酸素領域のパワーで長時間走ることなんてできないし、当たり前に自分の実力に応じたペース配分を管理できてないと勝負にならない。
これは、レースをする人だけに関係のあることではなくて、その辺走っている素人も同じことなんですよね。単なるロングライドにしても何にしても、自分の実力をいかにして発揮させるかということ。その為には自分の実力を知っておかなければいけないということ。
大抵の素人の場合はその反対で
「自分の実力以上のことを、どうすれば楽にできるか?」
という考えの人が多いのではないかな?と思います。
そんなの無理ですよ。
だって、プロでもそんなことできないんですから(笑)。