おっさんの外部記憶装置

40代おじさんのブログ

下位グレード機材を酷評する人の心理 その2

どうも、おっさんです。

 

前回の記事

nicolarossi.hatenablog.com

の続き。

 

下位グレードが実際の性能よりも著しく低い評価をされてしまうのは何故か?という問題ですが、「甘いレモン」の法則で一つ説明しました。

 

そして、ここにはやっぱり「承認欲求」も関わってきます。

 

ロードバイク界隈では「105以上」というのが一般論として語られています。

 

「承認欲求」とは「他人から一目置かれている」という状況に自分があるという場合に満たされる欲求です。ロードバイク界隈の「105以上」で言えば…

 

「105以上」を使っている自分は一目置かれている

 

という心理状態になるということですね。

 

※実は、実際には「一目置かれている」なんて思っていませんし、多くの場合は他人から「一目置かれる」わけでもありません。単に、「105以上」を使っている自分という 存在を「心地良い」とか「気分が良い」と感じているだけです。が、その何とも言えない満足感それこそが承認欲求が満たされた状態です。

 

なので、「105以上」を使うことで「承認欲求」が満たされるわけです。

逆に言うと、「105未満」だと承認欲求は満たされないわけですね。

一般論的に。

 

つまり、自分の承認欲求を満たしたいので「105以上」を使う必要があるということになります。

 

「いやいや、自分は105以上の性能が良いから使っているだけであって、下位グレードでは満足ができないんだ。」という人もいるかもしれないですが、百歩譲ってそういう人は置いときます。

 

ところが、それで下位グレードを「酷評」する理由にはならないんですよね。

何故なら、素人が乗る限り下位グレードでも何の問題も起きないからです。

個人の好みもあるでしょうが、それが事実なんですよ。

 

「105未満のブレーキは危険」というのも、素人が一般道で使用する限りは「嘘」ですからね。どうしてそういう嘘をつかないといけないのか?それはやっぱり「105以上」を使いたいからなんですよ。

 

「認知的不協和」という心理作用があります。

 

自身の中の「認知」に矛盾(不協和)が生じる場合の状態や、それを解消しようとする動きのことを言います。「105未満のブレーキは危険」(嘘)という主張をする人の場合で言うと、その主張をしないと「105以上」のブレーキを使うことに自身の中で矛盾が生じて、それを解消できないということになります。

 

認知1 「みんなが使っている105以上のブレーキを使いたい」

認知2 「でも自分には105未満のブレーキでも問題ない」

 

という矛盾が自身の中で発生している場合に、認知1を優先させたいという心理が働くと

 

認知3 「105未満のブレーキは危険」

 

という新たな認知(嘘)を発生させて認知2を消去します。

実際はもっと複雑な思考なのでしょうが、簡単にはこういうことになります。

 

これは、自分が明確に「105以上のブレーキを使う必要がある」という考えがあるのであれば、「105未満のブレーキは危険」という考えは不必要なので、逆説的に証明することができます。単に自分に必要かそうでないかの問題なだけなんですから。自分が危険だったとしても、他人が危険かどうかはその人の状況によるでしょう?現に、私のような一般道を走る素人には「105未満」でも何の問題もないのですから。

 

本当は、自分には必要ないかもしれないとわかっているから「105未満のブレーキは危険」という「嘘」を言わないといけないわけです。そうしないと「承認欲求」が満たせないですからね。

 

そして、こういう嘘の情報を拡散するのは、それが一般論になると自分の中の矛盾がさらに消えていくからです。

 

一般論で

105未満のブレーキは危険

105未満のコンポはおもちゃ

 

というような論が広まってくれれば、自分の中の矛盾が消えて気持ち良く「105以上」を使うことができるからなんですね。ま、嘘なんですけど。

 

実際の人の思考はもっと複雑なので、前回の「甘いレモン」の内容等他の思考も含めてこういう嘘が発生しているのではないか?と思います。

 

私が面白いなと思うのは、元々は他者の「105以上」という考えに引っ張られて「105以上を使いたい」という考えになった人が、一旦、深層心理で「あれ?」と思っているのに、それを否定してさらに「105以上」を拡散加速させているということですね。思い込みって凄い。

 

人の心理や思考って調べていくとかなり面白いんですよ。

で、私はあることに気付いちゃいました。

それはまた別の記事で書きたいと思っています。