おっさんの外部記憶装置

40代おじさんのブログ

超初心者のためのペダリング講座

どうも、おっさんです。
最近、暖かくなってきたなぁと思っていたら、また寒波がやって来ました(笑)。
まぁ、今回のはそんなに強くないので気温はそれほど低くないですが、風が結構吹いてますね。

私はまだまだロードバイク初心者ですが、ロードバイクに乗り始めてからのこの5ヵ月間でわかったことを、自分が超初心者だった頃に知っていたら心強かっただろうなぁという知識としてアウトプットしてみたいと思います。

あくまでも、ロードバイクを健康志向のスポーツとして乗ろうとしている私のような中年の方を主に想定していますので、レース志向だったりもっと若い世代の方には全然当てはまらない可能性が大きいですが、ロードバイク乗り初めの超初心者であれば大体は役に立つのではないかと個人的には思っています。


1.何故ペダリングを意識するのか

若い人だったり、日頃から運動をしていて体力のある人だと、ロードバイクに乗り初めてすぐにある程度速く走れたりするのかもしれませんが、私のような日頃運動をしていない中年の場合はまず基礎体力を作ることから始まります。そして、何回か乗っているうちに段々と疲労も軽減されてきますし、一回の走行距離も伸ばすことができたり平均スピードも初めよりはある程度上がったりします。

ところが、そのある程度の基礎体力や距離やスピードが備わった時点である疑問が生まれます。

「自分より速い人は自分と何が違うんだろう?」

まぁ、初心者なのでそれより長く乗っている経験者の人が速いのは当たり前なんですけど、何か「速く走るためのコツ」みたいなモノがあるんじゃないかと考え始めるわけなんですよね。しかも、ネットを見れば色々と「ロードバイクの乗り方」の情報があるわけで、ロードバイクの購入を考えている時点からそういう情報を目にすることもありますから、「自分はロードバイクにちゃんと乗れていないから遅いんだ」と思い始めるわけです。

そういうことから、ロードバイクというか自転車を走らせる基礎中の基礎である、ペダルを回すという部分を改善しようと考えるのは自然なことです。


2.「軽いギアでクルクルまわせ」の罠

前にも書きましたが、初心者が最初に行くのがこれです。

で、前に書いたように初心者は本当に基礎的な筋力しかついていないので、その時点で「軽いギア」と言ってもフロントインナーの34Tで、リアはその人によって変わるでしょうが、基本的には「軽すぎるギア」をクルクル回すことしかできないのです。経験者の言う「軽いギア」というのは、初心者にとっては「重いギア」です。

じゃあどうするのかというと、フロントはアウターに固定して「平地」はリア変速だけで走ることです。初めのうちはリアローギア付近を使ってもケイデンスは低めになると思うので、ここで「踏む」ことを覚えて重いギアを踏める筋力を付けます。

ただし、踏むといっても何でもかんでも力任せに踏ん付けるわけではなく、ペダルをスムーズに回転させることは意識しつつ、クランクの2時から4時ぐらいの位置で「踏み込む」という感覚です。6時の位置まで踏ん付けるとペダルをスムーズに回転させることができません。

重いのでケイデンス90というのは無理ですが、80ぐらいで回せるようになったらあまり「重い」とは感じなくなると思います。


3.初めからビンディングペダルは使わない

初心者でも初めからビンディングペダルを使う人もいるそうですが、「効率よく踏む感覚」を覚えるまではビンディングペダルは邪魔にしかなりません。フラットペダルを使いましょう。

まず、フラットペダルでの注意点としては足を載せる位置です。当たり前ですが、ビンディングペダルと違って固定されてないため、意識しないとペダルに足を載せる度に全然違う位置に載ってしまいます。載せる場所は毎回意識して同じ場所にしましょう。基本はペダル軸に母指球を載せると言われていますが、個人差があるので自身でペダルを踏みやすい位置を探って下さい。後にビンディングペダルにした時のクリート位置の目安にもなります。

足首と踵の上下位置も意識しましょう。踵は下がらないように意識して、足首はあまり動かさないようにすると力を入れやすいです。


4.踏み脚じゃない方の脚を意識する

フロントアウター縛りで走っていくうちに筋力はついてきて、ペダルをスムーズに回転させつつ「踏む」という感覚も身についてきます。

その次の段階として、踏み脚とは反対側の脚の使い方を意識します。

踏み脚は2時~4時の位置で力を加えているわけですから、その時の反対の脚は8時~10時の位置にあります。もちろん脚にも重量があるのでペダルに載せているだけだと、その重量が加わっていることになります。その状態では踏み脚の力が反対側の脚の重量に多かれ少なかれ取られてしまいます。しかも、脚を載せているだけだったらまだ良いのですが、実は踏み脚を踏み込んだ時に反対側の脚にも力が入っている場合が多いです。つまり、踏み脚の力を100%推進力へと変えられていないということになります。

そこで、意識して反対側の脚の力を抜いて、ペダルにかかる重量を抜いてあげる必要が生まれます。

慣れるまで難しいかもしれませんが、これができて初めて効率的なペダリングができるようになります。感覚としては、踏み脚と反対側の脚はペダルに触れるか触れないかのギリギリの位置で移動させます。これがもしビンディングペダルだと、このギリギリ感覚がわからないので初心者はフラットペダルでここまで練習することが肝心です。


「踏み脚じゃない方の脚」といっても2時~4時までは踏み脚なわけで、1回転の動きとしては「踏み込む2時から始まって4時まで踏んで、そこから力を抜きつつ6時を通過して、8時~10時は踏み脚を邪魔しないようにペダルから完全に負荷を抜き、そのまま0時を通過して2時まで備えたところでまた踏む。」

これを繰り返すわけです。

文章にするとややこしいし、一々考えながらやってたら追いつかないですが、まず「踏み脚」を意識せずできるようになってきてから、そこに「抜き脚」を加えてあげるとできるようになります。大切なのはなんでも一気にやろうとせずに、段階を踏んで習得するということです。


5.ビンディングペダル導入

「抜き脚」まで習得できたらビンディングペダルにしても良いでしょう。

初めは足が固定されることに違和感があり、踏み脚と抜き脚にも違和感を覚えるでしょうが、ここまで練習して身に付いていればすぐに慣れると思います。もし、違和感が続くのであれば、また一旦踏み脚だけを意識してそれから抜き脚を加えると良いと思います。

ネットに色々と上がっている「ペダリング」の話は、基本的にビンディングを導入してからの話なのですが、ビンディングの「引き脚」の話は上で説明してる「抜き脚」の話が混ざっている場合があります。

「引き脚」と「抜き脚」は一見似ていますが、私は全然別モノだと思っています。

「抜き脚」は上の説明通り、踏み脚の邪魔をしないように力を抜くということで、「引き脚」はそれ自体が駆動力にもなるテクニックです。「抜き脚」はフラットペダルでもできますが、「引き脚」はビンディングペダルじゃないと物理的に無理です。

「引き脚」を使う場面は、主にヒルクライムとスプリントです。効率重視の巡行の場合は「抜き脚」を使います。おそらく、抜き脚を理解しないままビンディングペダルを使ってしまうと、両者を混同してしまうのでしょう。


6.腰で踏め

よくペダリングの話で出てくるのは「腰で踏む」という言葉です。

ペダリングは腰の回転から始まってそれが自然と脚の回転に繋がり推進力になるというのが基本的な考えです。この話は正解なのですが、あくまでも上で説明しているように、効率的なペダリングが出来るようになってくると自然と「腰で踏む」ようになるわけです。

ネット上に転がっている話はそのほとんどが途中経過をショートカットしています。

どういうことかというと、物事には順序があるわけなんですが、技術習得の効率を重視するあまり途中経過を無視して結果どうなるかだけを示してしまうのです。「腰で踏む」に関しても、ペダリングが上達してくると腰の動きがある程度一定化してきます。動画が一般的な時代なので、例えばカンチェラーラの腰の動きはまさに「腰で踏む」が表れているのですが、それを示して「これが正解だ!」と途中経過をすっ飛ばして「腰で踏め!」というわけです。

確かに間違ってはいないんですが、そこに達するには過程が存在するわけで、初心者ははじめから腰で踏めません。

何故かというと、初心者は脚の筋力も備わっていないですし、胴回りの筋力すなわち「体幹」も皆無なわけです。そういう状態の初心者に対して「腰で踏め!」と言っても無理なんです。


7.踏まなくても進む?

これは、変に力を入れて踏み込まなくてもある程度のスピード(30km/h程度?)は出せるという主張ですが、私自身は「踏まないと進まない」と思います。少なくとも30km/h以上の領域は。

私が「踏まなくても進む」と感じるのは平地無風で27km/h前後か、後は追い風の場合だけです。
これはその人の筋力で変わってくる話だからです。

ネット上でよく見るのが、プロのペダリング動画を見せて「力を入れてるように見えないでしょう?」というもの。

例えば、プロの筋力がMAX100として素人の筋力がMAX30だとしましょう。プロが半分の50のペダリングだとして、素人のMAX30の力では歯が立たないわけです。その状態を見たとして、プロは全然力を入れていないように見えるでしょうが、素人はMAXパワーを使っているので力を入れていることはわかるわけです。こんなのは考えたら普通にわかります。

まぁ、「力まず脱力する」ということ自体は大切なので話としてはわかりますが、そもそもの筋力が少ない素人は30km/h出すのも一苦労なんですよね。私の場合は脱力して出せるスピードは27km/hまでです(笑)。


8.ペダリングの基本は踏み脚と抜き脚

いろんな話を上げましたが、基本は「踏み脚」とそれを邪魔しない「抜き脚」ということになります。

レースを考えない一般的なサイクリストであれば、これさえできていればある程度ロードバイクを楽しめます。ここにビンディングペダルを加えると「引き脚」が使えるようになるので、一般人でスプリントの必要がなくともヒルクライムでは活用できます。人によっては、引き脚を使うと踏み脚が疎かになる場合もあるでしょうから、そういう人は踏み脚に特化した方がトータルパワーを出せるかもしれません。

あと、片足ペダリングという練習法がありますが、個人的には必要ないと思います。他所でも言われていたりしますが、ペダルを回す動作はあくまでも両足(+上半身も)で行いますので、片足だけでは使う筋肉が違ってきます。なので、片足だけでペダリングしても意味がありません。


どうでしょうか?

ペダリングというと何やら難しそうな理論がいっぱい出てきますが、私のこれまでの経験から考えたのは「踏み脚」と「抜き脚」だけです。ネット上では他にも「巻き脚」や「押し脚」なんてのも出てきますが、一般のサイクリストはそこまで意識する必要はないと思います。