桜、満開で週末は良いお花見日和でしたね。
みなさんはどこかに見に行きましたか?
どうも、おっさんです。
以前書いた、「ロードバイクのチェーンメンテナンス」という記事に質問のコメントを頂きまして、見返してみたら内容がわかりにくいなと感じたので、写真も付けて少し書き直したいと思います。
元記事
そもそも、チェーンのメンテナンスって何の為にするのでしょうか?
シティサイクル(ママチャリ)でチェーンのメンテナンスなんてしないですよね?
まぁ、シティサイクルでもチェーンのメンテナンスはした方がいいのですが、世間一般の普通の人は最悪チェーンが切れたり、チェーンリング(ペダルで回す前ギア)やスプロケ(後輪ギア)等の駆動系が壊れない限りは注油したりのメンテナンスはしません。それに、使用する距離が短い乗り方しかされないし、ロードバイクのように軽く作る必要が無いので頑丈でなかなか壊れません。安いモノなら2万円程度出せば買えるので、壊れたら買い替えたらいいやという意識も大きいと思います。
注油等のチェーンメンテナンスをしない場合どうなるのでしょうか?
まず、オイルが切れるとチェーンとチェーンリングやスプロケは、金属同士がオイル(潤滑剤)を介さずに直接擦れ合うことになるので、その擦れる音がだんだん大きくなってきます。その辺を走ってるシティサイクルの音を聞いてみて下さい。
「キュルキュルキュルキュルキュルキュル」
これです(笑)。
そして、そういう自転車のチェーンを見てみると錆びてます。
チェーンどころかスプロケも錆びてます。
このオイルが切れた状態で走っていると、チェーンリングやスプロケの歯がチェーンによって削り取られていって、同時にチェーンも伸びてきますのでチェーンとチェーンリングやスプロケの歯が上手くかみ合わなくなり、滑って駆動力が伝わりにくくなってくるんですね。この状態になると部品交換しないと元に戻りません。
チェーンメンテナンスをしないと本来の性能が出せなくなるということです。
メンテなしだとしても、シティサイクルでその状態まで乗るには相当な年数がかかると思いますし、短距離の移動用なら性能とかどうでもいいという人が多いので、上で書いているように「壊れたら買い替えたらいいや」で済む(それもどうかと思うけど…)かもしれませんが…。
ロードバイクの場合は乗る距離がシティサイクルの比にならないのと、壊れたらホイホイ買えるほどパーツ一つでも安価ではないので、壊れないようにできるだけ寿命を延ばすためのメンテナンスは必要になるわけです。
あ、チェーンリングもスプロケも、もちろんチェーンも消耗品です。ていうか、すべてのパーツはその寿命までの長さの違いはあれど全て消耗品です。よく、高価なホイールなんかを買って「一生モノだから」って言ってる人いますが、ホイール(特にリムブレーキホイール)は消耗品なので飾っておくだけなら「一生モノ」ですが、使ったら消耗しますよ(笑)。
メンテナンスをするということはパーツの寿命をできるだけ延ばすということでもあります。
私のチェーンメンテナンスのスタンスは、上記のように「本来の性能を落とさないようにする」と「できるだけ寿命を延ばす」ということはもちろんなんですが…
1.なるべく手間をかけず
2.安価に
3.綺麗な状態を保つ
ということも重視しています。
極端な話、乗る毎にクリーニングして注油しておけば毎回その時点での最高の状態で乗れるわけですから、それに越したことはないということになります。でも、私は週に数回乗りますし、毎回チェーンメンテナンスする時間も取れないので、性能が著しく劣化しない範囲を見積もってチェーンメンテナンスをすることにしています。
では、実際にチェーンに注油する所から見ていきましょう。
これは前回の注油から約130㎞弱走った状態のチェーンです。走行後にウエスで軽く拭ってありますが、そこそこ綺麗な状態を保っています。撮影の為にこの状態から注油しますが、いつもはもう一回40㎞程度走ってから注油します。それでも、汚れの状態はあまり変わらないと思います。
以前の記事でも書いてますが、大体150㎞前後走ったら注油するようにしています。私が使っているAZの「ロードレースSP」は走ろうと思えば200㎞以上でも走れるのですが、いつも150㎞を越えて200㎞が近づいてくると段々と駆動音が大きくなってきます。オイル切れの音ではないので気にしなければ問題ない範囲なんですが、私は気になるので(笑)この150㎞前後での注油で落ち着いています。
そのまま注油を始めても良いのですが、私はチェーンリングとスプロケの掃除を前もってしておきます。チェーンに注油する作業で、注油した部分がチェーンリングとスプロケに接触することになるのですが、その時にチェーンリングとスプロケの汚れを拾ってしまうからです。あと、リアディレイラーのプーリーも掃除して、チェーンの汚れもウエスで取れるところまで取っておきます。
スプロケはこれぐらい汚れています。
ウエスにパーツクリーナーを吹き付けて隙間や歯を拭いてあげると…
綺麗になりました。
同じようにチェーンリングも掃除するのですが、まずチェーンはインナーに落としておいてアウターチェーンリングを掃除します。掃除が終わったらチェーンをアウターに上げて、リアはスプロケの真ん中あたり(私の場合は18T)にしておきます。この状態だとチェーンがたるみ過ぎず張り過ぎずの良い感じで注油ができます。
注油する時は「たっぷり」注油します。
「ロードレースSP」は程よい粘度があるのでたっぷり目に注油しても垂れにくく、このように膜を張るように絡みつきます。一コマずつ注油していくのですが、真ん中のコマ部分にだけ注油すれば良いわけではありません。大切なのはプレートとプレートの間と、プレートとコマの間の隙間にオイルが入り込むように注油します。私はオイルを垂らす時に、奥のプレートから手前のプレートまで注油口を動かしながら垂らしています。そうすることで、写真のように全体にオイルを行きわたらせることができます。
私はこうやって10コマに注油をしたらその時点で一旦余オイルを拭き取ります。そしてまた10コマ注油したら拭き取るの繰り返しです。チェーン全体に注油してから拭き取るというやり方もありますが、それだとチェーンリングもスプロケもオイルまみれになってしまい、後の汚れの原因になってしまいます。
オイルの拭き取り方は、ウエスでコマの上下を親指と人差し指でつまんで揉むようにして拭き取ります。コマを動かしながら揉むように。すると…
このようにたっぷり注油したオイルによって染み出して来た汚れも拭き取れ…
綺麗になりました。
オイルを「たっぷりと」使うのは、汚れを絡み取るという効果があります。本来、チェーンへの注油は後の汚れを防ぐためにもプレートとコマの間へのごく少量でかまわないのですが、私は注油とクリーニングを同時に済ませたいので、たっぷりのオイルで汚れを落としつつ潤滑の為の注油ができるこの方法をとっています。この方法で手間を減らせるんですね。
10コマずつ全体の注油と拭き取りが終わったら、一旦数回転させてチェーン全体のオイルを馴染ませて、またウエスでチェーンを掴んで数回転させて余分なオイルを拭き取ります。これは、走行中にオイルが飛び散らないようにするためです。気温によってどのくらい拭き取ればよいのか変わってくるので、表面のオイルの状態を見て判断します。冬場は拭き取りは少なくて良いですが、夏場はしっかり拭き取らないとオイルがホイール等に飛び散る可能性が高くなります。
基本的に作業はこれで終わりです。
私の場合は、150㎞走行毎にこれをやっていれば基本的には不具合がありません。
AZのオイルで、スプレータイプの「KM-001」というのがあって、それはサラサラタイプのオイルなので洗浄効果が「ロードレースSP」よりも高いです。
基本的には「ロードレースSP」をたっぷり注油して拭き取れば汚れもある程度落ちて潤滑もできるのでそれでよいのですが、それでも落としきれない汚れがあるのでその場合は「KM-001」を吹き付けてその落としきれない汚れを取ってあげることでより綺麗にすることができます。
具体的には、汚れが多く溜まっている場合はチェーンを左右に捻ると「ジャリジャリ」とする感じがあります。こういう時に「KM-001」を吹き付けてクリーニングするとそれがなくなります。ただ、私の場合は比較的綺麗なところを走っているからか「ロードレースSP」のみでもそれほど気になる「ジャリジャリ感」はないですね。なので、「KM-001」は月に一度程度しか使いません。
一般的に汚れたチェーンをクリーニングする場合は、「チェーンクリーナー」「パーツクリーナー」「灯油(笑)」等を使って汚れを落とすというのが多いようですが、少なくともシマノはそういうやり方は推奨していません。汚れで真っ黒けになったチェーンを「灯油」に浸けて「ほら綺麗になっただろ」とやってる人がいますが、それチェーンの寿命を縮めてませんかね?
大切なのは、普段からなるべくチェーンを綺麗に保つということで、クリーナーを使って汚れを落とさないといけないほどの汚れを溜めないということです。私がやっているように、たっぷりのオイルを注油して拭き取れば綺麗になります。
記事内で便宜上「ウエス」と言ってますが、私が「ウエス」として使っているのは「キムワイプ」です。「キムワイプ」はティッシュみたいなものですが、ティッシュのようにボソボソになって繊維があちこちに飛散することもなく、しっかりしたものなので自転車の掃除には全般的に使いやすいです。あと、スプロケの掃除にはもっと丈夫な「ワイプオールX70」を使っています。
それと、パーツクリーナーはワコーズの「フォーミングマルチクリーナー」を使っています。通常のパーツクリーナーは洗浄効果は高いものの、素材へのダメージを考えるとあまり使いたくありません。「フォーミングマルチクリーナー」は素材に優しい泡状の洗浄剤なので、これを主に使っています。
オイル・潤滑油・グリースのエーゼット - AZ 自転車用チェーンルブ ロードレースSP 110ml 品番(CH082)
オイル・潤滑油・グリースのエーゼット - AZ 極圧・水置換スプレー 420ml 浸透防錆潤滑 品番(149)
キムワイプ S-200 - (紙ワイパー):日本製紙クレシア株式会社
キムワイプ M-150 - (紙ワイパー):日本製紙クレシア株式会社
ワイプオール X70 4つ折り - (不織布ワイパー):日本製紙クレシア株式会社